事例紹介

事例紹介2 私的整理(再生支援協議会)

売上高年商30億円程度、負債数十億円、関連会社あり、多額の粉飾その他様々問題行為あり

事例2

1 案件概要

関連会社複数抱えている中堅企業であった。公共的な受注をしており、社会的意義のある業務を担っていた。
しかしながら、従前の経営者により多額の粉飾を行っており、金融機関の有利子債務(数十億円)が簿外処理となっていた。収益性も悪化しており、資金繰りがひっ迫し、幹部社員の給与は2か月遅滞している状態だった。
その後、幹部社員数名により事業改善に取り組み、また、コンサルタント会社が入り、事業再生(リ・スケジュール)に着手することとなったが、一時停止(返済猶予)時期が区々になってしまう問題があった(金融機関ごとに残高維持の要請=支払停止の要請時期がバラバラということです。)。加えて、途中で前社長の問題行為が発覚し、さらに簿外債務を負担することとなった。
そのため、当事務所弁護士が関与し(他の事務所の弁護士との共同受任)、個別訪問し、抜本処理を伴う再生計画を立案することについて、金融機関の理解が得られるよう動くことになった。その後、バンクミーティングを開催し、全金融機関に元利金の返済を猶予してしてもらう要請を行うこととなった(ただし、金融機関への誠意として、0%台の暫定金利という名目の支払を行うこととした。)。金融機関とも協議の上、再生支援協議会の支援を受けて、事業再生を目指すこととなった。

許認可・登録の問題があり、早期に債務超過を解消しなければならない案件であった。また、多額の粉飾や前社長の問題行為等もあったため、スポンサー型の支援が不可欠と考える金融機関もあったため、FAを選定し、スポンサー選定も行ったが、現経営陣の事業改善の取り組みが奏功しつつあったことから、自主再建の方が債権者にとっても経済合理性が高いという事情もあり、自主再建のために経営改善に努めることとなった。

計画策定においては、複数の会社を合併し、複数の会社の金融機関への有利子債務を平等に按分して弁済するパーレート方式による計画(第二会社方式による実質債権放棄)を立案した。最終的に一部金融機関(当該会社からは遠方の金融機関)がバンクミーティングにも参加してくれず、さらには、計画にも同意しないという姿勢であったが、サービサーを活用し、当該金融機関の債権を買い取ってもらうこととし、最終的に全金融機関の同意を得ることとなった。

その後、複数の会社は同日付で合併と会社分割を実施し、旧会社は特別清算により債権放棄を受け、新会社は収益力のある会社として現在も堅調な業績を誇っている。

2 事業再生が奏功したポイント

  • 新たな経営陣が誠実であったこと
  • 不採算店舗の閉鎖、経費削減など新経営陣による事業改善(コンサルタント会社の指導も含め)が奏功し、相応に収益力の改善が働いたこと
  • 得意先及び従業員の理解と協力が得られたこと
  • いくつかの金融機関が早い段階で事業再生することに協力的な姿勢を示してくれたこと
  • 事業の社会的価値や緊急性があり、金融機関の理解を得られたこと
  • 預金避難の実施や暫定金利(約定金利すら支払えない状態)に対して多くの金融機関が前向きな姿勢を示してくれたこと
  • 前社長の問題行為があったものの、これにより生じた債務を支払うことについて全金融機関(信用保証協会等の公的機関を含む)が理解を示してくれたこと
  • 前経営者の経営責任をしっかりとるとともに、関連会社の経営者(経営責任は重くない方)については、任意の保証債務の解除が認められたこと
  • 事業再生の知見のあるコンサルティング会社及び監査法人(再生支援協議会選定)に入ってもらえたこと
  • FAを選定するほか、再生支援協議会に支援してもらい、透明性、公正性、衡平性の確保に努めたこと